ストーリー仕立てで様々なマーケティング理論が紹介されており、マーケティングの入門書としてとても読みやすい本になっています。
物語は会計ソフトウエア会社を舞台に、製品企画部に異動したばかりの女性社員が新製品の開発を手がけながら、営業とは何か、製品企画・開発とは何かを問いかけ成長していくというものです。
顧客の課題に対して振り回されることなく、自社独自の価値を徹底的に考え提供するという真の顧客主義が、コーラの値段やキシリトールガムがヒットした理由、クールビズが浸透した例などを用いて紹介されています。本を読み進めるうちに、多くの日本企業が抱える『高品質、多機能。でも低収益』という問題についても考えさせられます。
また、もっと詳しく理論を学びたい場合のために、どの専門書のどこを読めばいいか参考文献がきちんと記載されているので、マーケティング理論の理解を深めるいいきっかけになりそうです。