「のび太」という生きかた
横山泰行「著」 ㈱アスコム 定価(本体1200円+税)
「中学生が書いたこの本の読書感想文がすごい」とTVで紹介されているのを観て興味が湧き、本のタイトルに惹かれて読んでみました。
「ドラえもん」という永遠のアイドルは子供向けのアニメだと思っていましたが、
そのストーリーには
「大人にとっても身近な問題に対する価値あるメッセージがたくさん組み込まれている」
と著者は言われています。
ダメな奴の代名詞、のび太が「憧れのしずかちゃんと結婚する」という人生の「勝ち組」になれたのは何故なのか、この本はそのヒントをマンガのストーリーを例にして解説しています。
そこには、常に夢や希望を持ち続け、諦めずに何度も自分の力で解決しようとする、のび太自身の「自覚」と「努力」が描かれていて、私の中の「すぐドラえもんの道具に頼るダメな奴」というイメージの「のび太」はいませんでした。
「すこやかに大きく、どこまでも、のびてほしい」という願いを込めて「のび太」と名付けられたというこの思いやりにあふれる、真っ直ぐな男の子を少しうらやましく思うと同時に、大人になった今、今度は社会人・大人の目線で「ドラえもん」を読み返してみようかなと思いました。